ETCを取り付けた。取り付ける場所を巡って構想半年のちょっとしたプロジェクトだったが、こだわったこともあり取り付けていることを忘れてしまうくらい目立たなく各パーツを収めることが出来た。以降順を追って一連の工程を説明したい。
まず取り付けたのは日本無線のJRM-11。一体型のJRM-12が発売されたばかりだったが「取り付けています」と言わんがばかりハンドル周りがごてごてになることを避けたかったため本体とアンテナが別体であるこちらを採用することにした。まずは各パーツの取り付け場所を検討した。アンテナとインジーケータランプは各パーツが小さいこともあり簡単に決定。アンテナはライトカバーとメータの間にある隙間へ取り付けてライディングポジションから視界に入らないところへ収めることに。インジケータランプはハンドルポストの下部にぴったり収まるフラットな場所を発見したのでそこに決定。そして最大の難関、本体の取り付け場所である。W650の場合、車載工具をキャンセルしてそのスペースに取り付けるのが一般的らしいが、エマージェンシーとしての車載工具をキャンセルすることにはいまいち気が乗らない。また、W650の車載工具自体メッキなどが施され質感やルックス的にも車体から下ろすのがもったいないと思ったことも確か。結果的にシートを一部加工してタンデムシート下のスペースへねじ込むこととした。
まず、本体の外形にあわせスポンジを加工。上記写真右側がそれにあたる(高さは無視して加工)。尚左側の木型は次の過程で必要になるもので同じく本体外形に合わせて作成したものである(こちらは高さについても実高)。で、このスポンジをシートと車体に挟み込んでフッティングスペース、及びシート加工位置を決定した。結果的に以下写真に示すシートベースを切り取り、中のクッションも若干削ることとした。切り取り位置は本体面積+αを確保している。シート加工は例によって「
やまちゃんのバイクシート工房」に依頼。送料込みで10000円弱と言ったところだった。
次はフッティングベース作成である。シートを加工した部分の底部はリアフェンダーの盛上がりにあわせ上に膨らんでいる状態であり、このままだと本体取り付け条件として挙げられている「本体をしっかりと固定出来ること」が実現不可能である。よってこの部分にフラットな取り付け場所を設ける必要があるわけだ。色々検討した結果、2mmのアクリル板を加工して、それをゴムバンド固定用の支柱を流用し固定することとした。アクリル板の裏側には高低差をなくす「足」をつけてこれにより水平な取り付け位置を確保することが出来た。下写真が加工後のアクリル板だが、端にあるカギツメが固定する際のポイントになる場所である。
このカギツメをゴムバンド固定用の支柱に引っ掛けた後、支柱にタイラップなどを巻きつけてアクリル板を車体と固定することが出来たのだ。尚、「足」下には両面テープ。下写真。
これで準備完了。セットアップ及びユニット取り付けはDS二輪館にて。助成期間が過ぎてしまっていたため大幅な割引はしてもらえなかったが、ラッキーなことに店のキャンペーン期間中だったので10%引きとなりセットアップ、工賃込みで35000円程度の出費となった。少々懸念していたアンテナの取り付け位置については言うことなし。取り付け条件として「アンテナの前方にはメッキ加工されたものなどが無いように」との注意があったのでライトカバーのメッキが悪さするかと思ったが、問題なく電波を送受信。検討に検討を重ねたプロジェクトであり、時間をかけた分満足できる仕上がりとなった。以下、各パーツの取り付け状態である。
↑まずアンテナ。ステーはDS二輪館推奨のJRM-11アンテナ取付け用の汎用品でメータ裏にあるプラスネジで固定している。
↑次にインジケータランプ。ランプは目立つが、車体の一部と思える程、一体感が取れるベストポジションと思うのだが・・・ちなみに左側にも同様のスペースがあるのでお好みで。
↑本体と加工後のシート。少々心配していた加工によるシート強度の低下やタンデムシートのすわり心地は一切問題なし。シートが折れたり、ゆがんだりすることも無く、タンデムランも違和感無くこなすことが出来た。シート裏以外、車体パーツを削ったり切ったりといった加工は一切なし。本体はアクリル板とマジックテープで固定されている。
↑シート下はこんな感じに。ちなみに車載工具とゴムロープの上にウエス1枚入れておけます。なんかきっちり感が好き。