今年の目標に槍ヶ岳登頂がある。その前準備として5/23に有休を頂き以前より計画していた槍沢ロッジまでの往復を実行した。5/22会社から帰宅後22時に自宅を出発。フォレスターで中央高速をGo west!
沢渡のバスターミナルに到着したのは1時30分。そのまま車内泊。ちなみにマイカー規制のため上高地へマイカーで乗り込むことはできない。
バスターミナルにて「上高地らんらんチケット」を購入。上高地までのシャトルバス往復運賃と食事やお土産などに使える1000円券がセットとなり2500円。ちなみに購入には事前にネットでクーポンを印刷しておき窓口で提出する必要がある。
7:40発のシャトルバスにタイミングよく乗れた。バスは20~30分程度の間隔で運行しているようだ。
ちなみに今回の装備は↓こんな感じ。35リットルザックに丁度良い体積。重量は水2リットル分含め11Kgだった。
大正池に近づくと突然目の前に雪化粧の穂高連峰が現れる。その荘厳なるたたずまいには只々感動するばかり。全身に鳥肌が立った。
20分ほどで大正池に到着。大正池や上高地も色々と思い出のあるところだ。かれこれ20年ぶりの訪問となる。
バス停からは直ぐに池端に出る。水面に映る焼岳がとても美しい。
しかし20年前とは大きく違う印象。まず面積が小さくなったように感じる。そして一番の違和感は立ち枯れの木が殆どなくなっている事。
池の畔で朝食をとりエネルギーチャージ。これからの道のりに備える。美しい風景に囲まれての食事はたとえコンビニ弁当だろうと御馳走に感じてしまうから毎度不思議なものである。気温は12度。
8:30大正池出発。まずは河童橋を目指す。ウェストン碑を経由してさらに進む。
平日だからか道はとても空いている。雲もだんだん取れてきた。天気は回復傾向。
9:30河童橋到着。残念ながら先程見えていた穂高連峰は↓雲の中。
反面焼岳↓はその全貌を表しつつあった。休憩なしにそのままスルー。
平坦な未舗装路をひたすら歩き10:20明神館到着。明神岳が美しい。
この辺りからニリンソウの群生が要所要所に出現し目を楽しませてくれる。山奥のお花畑。とても癒される。
明神池へ立ち寄ることに。入園料は300円。
歴史と由緒ある池で本当にきれい。透き通った水が奥に行くほど緑がかってゆき鏡のように山々や木々を反射させている。
池の中の岩や木々も良いアクセントとなっておりまるで庭園のよう。
むしろ貴族や大名屋敷の庭園はここがモデルになったのではないか?と思えるほど。紅葉の時期はもっと美しい事でしょう。日本人の美意識というのは昔から変わらないものなんだなぁとも実感する。
明神池畔には日本アルプスの総鎮守である穂高神社が鎮座している。これからの行程が安全であるようお参りをした。
10:50穂高神社の隣にある嘉門次小屋にて名物の岩魚塩焼きを食す。1匹1000円とかなりお高い価格だがめったに食べれるものではないので記念に奮発。
ネットだと焼き過ぎ炙り過ぎ等との評価が散見されたのだが、身の触感を楽しみたい方々にとっては確かにそのような評価になるかもしれない。しかしスナックライクで頭から丸かじりというコンセプトであればまったくもって絶妙な焼き加減だと感じた。頭や背骨、ひれの食感的な違和感は最小限に抑えられ、頭からおもむろにかじれば「骨せんべい」のような香ばしさと身の旨味が口の中で混ざり合い美味しいハーモニーを奏でてくれる。私個人としては好き系。但し値段を妥協すればの話(笑)
11:10嘉門次小屋出発。ニリンソウの群生が延々続き本当に気分が良い。
時期的にも恵まれた!?
12:00徳沢に到着。ニリンソウのお花畑の中お猿さんが食事中だった。
警戒することなく近づいても逃げることは無い。
徳沢は元々牧場だったようで、高原の避暑地的なハイセンスな雰囲気が漂う場所だった。キャンプ場も併設しており、ここへのキャンプが目的のトレッキングも楽しいだろうなぁなどとも思った。
お猿さんに触発されたわけではないが私もここで昼食タイム。
川の畔のベンチを陣取り昼食の準備にとりかかかる。昼食は尾西のチキンライスと蜆味噌汁。アルファ米って初めて食べたけど意外にいける。お手軽さも気に入った!保存も数年間利くので災害に備えた保存食としても重宝する。
12:30徳沢出発。結構山の奥まで歩いているはずだが梓川の川幅はまだまだ広い。川向うには頂上付近を雪化粧した山々が連なり疲れを忘れさせてくれる。途中お盛んなカエルくんたちがお出迎え(笑)
13:25横尾到着。ここまではほぼ平坦な道のりだった。チップ制のトイレで用を足し小休止。横尾は涸沢方面と槍ヶ岳方面の分岐点。目の前の横尾大橋を渡ると涸沢方面、橋を正面に左側が徳沢方面、右側が槍ヶ岳方面となる。主要な分岐点故ハイシーズンともなると賑やかなのだろうが、今日は平日という事もあり3,4人位しか確認できない。時間も押してきているので先を急ぐ。
横尾を過ぎ槍見河原↓なるところで初めて槍ヶ岳を目にすることが出来る。ちなみに標識も何もないので気付かずスルーしてしまう方もいるかもしれない。よ~く見ると山と山の間に穂先がちょんと見えるだけで距離感は相当なもの。でも見えた瞬間は感動だ。
同じ場所での拡大画像が↓。尚、この辺りは時間的に余裕がなかったので写真は帰りに収めることとした。なので以降槍沢ロッジまでの画像は帰路に撮ったものとなるのであしからず(^^;
一ノ俣辺りから登山道に残雪がちらほらと現れてきた。しかし何れも軽アイゼン等滑り止めが必要なレベルではない。
歩行距離は20Km程度となり右足の親指の付け根に水ぶくれができ少々痛い。もうひと踏ん張り。
14:40、一ノ俣↑にて小休止を済ませ更に進む。ちなみに標識の向こう側にある平たい石は寝ころぶのにちょうどいいサイズと角度なのでお奨め♪
二ノ俣へ向かう途中に登山道が崩落している個所があった。既に復旧作業も進められており作業員の方が作業を中断し通過するのを待ってくれた。今にも落石が起こりそうなところ。足早に通り過ぎた。
二ノ俣を過ぎると勾配がきつくなってくる。残雪も相成り足取りは重くなる。但し目的地の槍沢ロッジは直ぐそこなので最後の力を振り絞り一歩一歩確実に登ってゆく。
槍沢ロッジが見えてくる。ロッジまでの道はまだ雪の上を歩くこととなる。但しここも軽アイゼン等は必要ないレベルだ。念のため以前購入したものを持ってきたが結局使用することは無かった。試しに今回ストックも使用せず登ってきたが何とか登りきることが出来た。上半身の体力は比較的温存できている。
…ということで15:00丁度に槍沢ロッジに到着した。大正池出発から6時間半、約22kmの道のりだった。
受付を済ます。前払いで9500円。1泊二食の価格となる。ロビーには未だ補強の柱が取り付けられている状況だった。無料のインターネット端末も完備されており天気や周辺情報などを調べることも可能。
まずは割り当てられたベッドへ向かい荷物整理と着替え。スマホにモバイルバッテリから充電開始。それにしてもハイシーズンではない平日故かなり空いている。この日は私含め大凡10~20名程度の宿泊者がいたものと想定される。寝床は↓こんな感じ。
しかしどこもかしこもピカピカできれい。
談話室は暖房が利いた部屋で大画面にてTVを見ることが出来る。チャンネルは限られているが映りは非常によろしい。ちなみに携帯電話(Docomo)は電波届かず。恐らくその他のキャリアもNGかと。TV画面では8/11が再来年から「山の日」となることが決まったと報じられ今朝ほどいた上高地でインタビューを行っているシーンが。
ちなみに槍沢ロッジは風呂に入ることが出来る。男女入れ替え制で16:00~17:00は男風呂となる。早速入ると貸切状態。足を延ばして温かいお湯に漬かり一日の疲れを洗い流す。環境面から石鹸やシャンプーの類は一切使えないがそれでも十分疲れを癒すことはできた。
風呂から出て涼むために外のテラスに向かうと外国から来られていた見た目同年代の女性がベンチで読書に耽っているのを発見。目があったので英語話せるわけでもないのに「Hello」と声をかけたら読書の手が止まりコミュニケーションを積極的に図ってきてくれた。うれしい反面戸惑いも少々(汗)
単語レベルで会話を行っているうちに、旅行で2週間日本へ旅行で来られたオーストラリアの病院でコンピュータを操作(恐らく医療事務!?)している方であることまでは理解できた。但しその後がちんぷんかんぷん。「Not understand sorry」とギブアップすると「Come on let's go」と手を引っ張られ談話室へ。
談話室へ連れて行かれると既に仲良くなっていたと思われる大阪から来られていたご夫婦のもとへ。奥様の方が英語に堪能なようで通訳を依頼されたようだ。(^^;
結局奥様より「この女性は日本でお奨めの旅行スポットはどこか?そして日本の現代美術絵画を購入できるところはどこにあるか?という事を聞いていますよ」とのこと。質問に対し通訳を返し回答するとここで夕食の準備が出来たアナウンス。4人で食堂へ。
夕食の食卓も4人で囲むこととなった。夕食は大豆ハンバーグと鳥肉の香草焼きをメインとした健康的な内容。英語の質問は留まるところを知らず、不慣れな英語にドキドキしつつも楽しい夕食タイムはあっという間に過ぎて行った。
夕食も終わるといよいよ何もすることがなくなる。これは全員も同じようで自然と談話室に皆が集まってくる。山スキーを楽しみに来られた方や、山岳ガイド、カヤックのガイドさん等色々な方が集い自然と一つの輪になる様子が心地よかった。楽しい夜は更けていった。耳栓とアイマスクで武装し20:00全館消灯時間に合わせ就寝。